最近の稽古では、毎回「今日が今年一番暑い」という言葉を更新しています。扇風機や冷風機はありますが、それでも道場内が蒸して汗びっしょりになります。とはいえ、夏の稽古はこれでこそ気持ち良い、という感覚もあります。
7/24はそんな暑さの中、時々水分補給しながら9名での稽古でした。
今回のテーマは諸手取り、その中でも転換から展開する技に特化して取り組みました。
片手取りにも転換技がありますが、その倍の諸手で取られるということは、単純に考えても二倍の力が片手にかかってくることになり、それを転換で無力化、または自分のものにするためには、脱力することが不可欠です。
当会では、受けが故意に力を抜いて攻めない、受けが自ら取りがやってほしいように察して動くというやり方は否定しています。受けが相手を本気で制する気で腕を掴み、それを取りが捌けるようにならなければ、何十年やっていても合気を理解することは不可能だし、護身用の技にもなり得ないからです。
反対に、受けが力を込めて掴んだり打ったりした方が、取りはその力を利用できるので、技はしっかりと効きます。
転換するとき、両手でぎゅっと掴まれた状態で、取りが抵抗しながら転換しようとすると、互いの力がぶつかって相手の脇に入ることがきません。お互いの力が入れば入るほど、抵抗は強くなって技を展開する以前に転換することが不可能になるからです。
そこで大切なのが、肩甲骨から指先まで完全に腕をだらんとすることです。但し、掴まれた腕以外は姿勢良く、体軸をしっかりと保たねばなりません。腕を脱力していれば、相手がどれほど強い力で握ってこようとも必ず相手の脇に入ることができます。
そのうえで、脱力したままの腕を巻き上げるようにして、相手の力を自分に同化させます。
転換ができたら、そこから第一教や入身投げ、小手返しなどの基本技はもちろんのこと、呼吸投げも数多く展開することができます。
しかし、この転換はなかなか難しく、講習会などで見ると黒帯でもできていない人は少なくありません。
その意味では、当会の道場生たちはだいぶ良い線を行っていると思います。


諸手取り・転換
- 第一教
- 第三教
- 入身投げ
- 小手返し
- 十字投げ
- 呼吸投げ
- 呼吸法
- 呼吸投げ(足払い)
- 合気投げ(転換せず甲返し)